- FDG-PET陽性浅在性腫瘍に対するホウ素中性子捕捉療法の予備試験 -
PRELIMINARY EXAM
・BNCTの分野では、FBPA-PETを用いてホウ素薬剤の蓄積度を確認する研究が行われているが、FBPA-PETは自己診断であり、設備の整った医療機関は少ない。
・FDG-PETは現在、がんの診断に広く使われており、簡単に検査することができます。
・この研究では、FDG-PET陽性で体表から6cm以内に位置する腫瘍に対してBNCT治療を実施します。
江戸川病院による「FDG-PET 陽性の浅在性腫瘍に対する特定臨床研究」
FDGとは
FDGという薬剤はもともと脳のブドウ糖代謝機能をみるために使われていました。しかし、FDG-PET検査ががんの存在や広がり、転移や再発などの診断に非常に役に立つことが分かってきてからは、FDG-PET検査のほとんどががん診療やがん検診に用いられるようになりました。
ちなみにFDGの開発者は日本人です。1975年にアメリカ留学中の井戸達雄先生が初めて合成に成功しました。さらにFDGががんの検出に利用できることを世界で初めて報告したのも日本人です。1982年に米倉義晴先生が大腸がんの肝転移病巣にFDGが集まることを発表しました。
FDGは18F(フッ素18)という放射性物質を含んだ放射性薬剤です。
正確には18F-FDG(18F-fluorodeoxyglucose、18F-フルオロデオキシグルコース)といい、ブドウ糖(グルコース)によく似た薬剤です。
化学構造上、ブドウ糖のC-2の位置(下図の←)の水酸基(OH) が18Fに置き変わったものです。この18Fが放射性物質であり、ポジトロン(陽電子)という放射線を出します。
体内に投与されたFDGは細胞の中に取り込まれ、途中まではブドウ糖と同じように代謝されるのですが、そのあとの反応が進みません。取り込まれたFDGは細胞内にどんどんたまっていきます。
ブドウ糖は細胞内に取り込まれ、代謝されて、エネルギー源になります。FDGもブドウ糖によく似ているので取り込まれますが、偽物なのでそれ以上は代謝されません。

腫瘍や炎症などの病気がある部位では正常な細胞よりもブドウ糖代謝が活発なため、FDGをより多く取り込み、FDGがより多くたまっていきます。
そして、病気がある部位に集まったFDGからは大量の放射線が出てきます。この放射線をからだの外から特殊なカメラでとらえることにより、病気を診断するのがPET検査ということになります。
なお、FDGにはアレルギー反応や副作用はほとんど報告されていません。
FDGはブドウ糖に近く、身体に必要な成分からできていますので、不純物が混入しないかぎり、健康被害を与えることはありません。